住まいに関すること01

  • 2009.06.01 Monday
  • 15:03

 6月に入りました。植物の緑色が深まり、より一層きれいに見える時期ですね。雨に濡れた緑もまた美しいので好きです。

昨日、ケーブルテレビで「サバイバルゲーム」という番組を途中から観たのですが、とても強烈な印象を受けました。たまたまリモコンでチャンネルを無意識に変えてて目に留まったのです。途中からだったので、主題はよくわかりませんでしたが、とにかく広大なジャングルにひとりで入って、何日もかけてゴールを目指すゲームのような感じでした。すごいのは、加工食品やテントセットなど現代文明品は何も持たず、必要最小限の小道具のみを携えて、ひたすらジャングルの中を歩き続け生き延びることです。
食料は当然そこに生息している生き物を食べ、また寝床も、そこにある樹木や植物を使用して、その夜限りの簡易シェルターを自分で作るのです。豊富で正確な知識と知恵、高い技術と運動神経、動物的な鋭い勘を要求され、それを持っていなければ、とてもとても生き延びることが不可能な環境です。

今の生活は、そんなに正確な知識がなくても、そんなに勘が鋭くなくても、建物も含め「衣・食・住」に関わる生活に必要なもの自体が非常に優れているので、何の疑いもなくそれを利用でき、欲求を満たしてくれ、快適に生活することができます。

テレビを観て感じたのは、生活環境の差は確かにありますが、それよりも正確な知識に基づく適応能力や判断力、注意力等の生活意識力が非常に高く、その差が非常に大きかったことです。目に見えているものへの知識をどれだけ正確に把握しているか、またそれをどれだけ活用できるか、当り前の出来事にもっと注意深く意識しなければいけないように感じました。

そこで今月のブログは「あたりまえの住まい」を意識しながら書いていこうと思います。
まずは、ジャングル生活でも重要だった寝場所を題材に「住まいと寝床」について書きます。
この続きは、次回にしますね。








 

住まいに関すること02

  • 2009.06.03 Wednesday
  • 15:49
 今日は前回の続き、「住まいと寝床」についてです。

ジャングルでの日々は疲れを癒す休養空間が最も大事で、身近にある材料を用いて寝床を作ってました。テントのように作るのではなく、地面を這う危険な生き物や雨などから身を守るため、地べたを避けて、地面から少し高い位置に寝床を作り、大きな葉をもつ植物を利用して寝床を囲んでました。いわゆる簡易高床式シェルターです。合理的な休養空間でした。

住まいを翻ってみると、竪穴式住居も、寝床を確保した上で、悪天候や外敵から身を守るために身近にある材料で寝床を囲い、ゆっくり休養できる空間を造ってます。
古代では、まだ地べたに寝てたようで寝心地はあまりよくなかったみたいですが、寒い地域は地面が暖かいので、逆によかったのではないでしょうか。にしても湿気等でジメジメしてたにちがいありませんから高床式は理にかなってます。

その寝床、ある本には「単なる睡眠や休養というだけではなく、男女の語らいの場の意味も含む」と書いてあります。つまり寝床は男女共寝を生み、そこから人間的な生活の基本が出来上がったのではないでしょうか。

寝ることは、人間の基本であり、生きる上で重要な役割を果たしています。
寝床は住まいの原点であり、どうも住空間誕生の始まりのようです。

ところで寝床には今では布団や毛布、枕があるので、季節に左右されず温度調節もでき、快適に睡眠をとることができますが、昔はどうしてたんでしょうね。
この続きは次回にしましょう。

住まいに関すること03

  • 2009.06.06 Saturday
  • 08:54

 前回の続きです。

布団は、「夜具」として江戸時代頃から利用されてたみたいですが、当時はまだ高級品で、一般庶民にはまだ手がとどかなかったみたいです。庶民に普及しはじめたのは明治以降みたいです。

古代ではモミやワラを土の上に敷いて、着物を着たまま寝てたみたいですし、平安の頃は、上層階級はタタミがでてきてこれを寝具として利用し、着物を脱いで、それを掛け布団として寝てたそうです。寒い地域の農民はワラ製の袋の中に夫婦一緒に入って寝てたみたいです。今でいう寝袋みたいなものだと思います。布団の歴史もおもしろいですね。

今のパジャマは、「掻巻」とよばれる専用の「夜着」として室町時代にあらわれてきてます。
寝床に快適性を求めてるのがよくわかります。

ただ、これらの寝具の発展には、「男と女」の歴史が深く関わってるみたいです(笑)から、おどろきというか興味深いです。「男と女」と「寝床」、「夜具」そして「住まい」は、どの時代も根本的には不変で、あとは人間の求める欲求にどう対応したか、人間社会のコミニュケーションが反映されてる感じです。

「住まい」の寝床は、本来、睡眠、休養、家族や夫婦の語らいの場であり、人間のくつろぎ空間ですが、現在はプライバシーや個性を重視するあまり、語らいを避け、自己の欲求を追い求める空間に変わってます。この流れは歴史的にみても当然の結果であり、止められないでしょう。しかし高齢化社会が進む中で、個性ばかりを重視した空間造りは、人間社会のリズムとして果たしてよいのでしょうか。広い意味で「住まい」には、結局「語らいの場」がないと、人は幸せにはなれないと個人的に考えます。

人間は生き物(動物や植物)を食べていかないと、これまた生きていけません。サバイバルゲームの話に戻りますが、ジャングル生活も、その日その日、生きていくために必死で生き物を捕らえて、それを火で焼いて食べてました。寝床を確保したら、生きていくために食べる処が必要です。次回はこの続きです。



住まいに関すること04

  • 2009.06.09 Tuesday
  • 18:26
 前回の続きです。

そろそろ、バーベキューしたくなる頃ですよね。
炭を使って焼いて、食べる。お酒や楽しい会話が一層盛り上げてくれます。
本格的なのを除けば、比較的簡単に誰でも作れて、たくさんの人と食べられる。
火も着火剤やガスバーナーなどあらゆる道具があふれてますので、誰でも付けられます。
でももし忘れたりして、何もなかったらその周辺にある自然材で火を付けられますか。

私は学生の頃、ある課題で、古代人のやりかたで火を付ける実践をやってみたことがあります。
もう大半は忘れました(笑)が、木製の棒2本(垂直に立てるものと、それを回転させるための棒)にヒモ、その棒を回転時に両端を固定するための板、着火剤となる乾燥イグサを用意してやってみました煙まで出て、もう少しで付きそうだったんですが、結局火を付けられなかったことを覚えてます。(回転不足かイグサの量、酸素不足が原因) 当時のギネス記録は、同じような回転式で点火までわずか3~6秒という驚異的な早さだったことを覚えてます。ジャングル生活の人はナイフと金属棒、乾いた木片で金属の摩擦を利用して点火してました。これも3〜6秒範囲内でしたね。(笑) 

「住まいと炊事場」は、寝床と同様、人間にとって必要な空間ですが、もともと炊事場は外にあったようです。集団生活でしたから、それぞれで作るのではなく、みんなで作ってそれこそバーベキューのように外で食べてたのでしょうね。火を使っていたので、防火目的も外であった理由の一つだと考えます。それが道具の発達により、個人個人が道具や器を持つようになり、天候の問題も当然あったでしょうから、道具の収納も兼ねて寝床に炊事場や納戸が「住まいの内部空間」に加わったのでしょう。

そこから、それぞれの大きな家族単位での語らい(コミニュケーション)が入ってきて、「住まい」に客間や団らんの空間が加わってきたようです。現在の住空間はもとはといえば、ここからのスタートで、そう考えるとかなり複雑に変化してますよね。

そうそう、気になる便所。住まいとどのように結びついていったのでしょうか。
この続きは次回にします。



住まいに関すること05

  • 2009.06.13 Saturday
  • 12:02
 前回の続きです。

最近便所は快適ですよね。特に洋便器はウォシュレットに暖房便座、消臭、暖房機付き、音楽、自動洗浄、自動開閉といたれりつくせりです。排水方式も多種あり、公共下水道設備も進んでます。
私の住んでいる地域は下水道工事は中心部だけ進んでおり、家はまだ汲み取り式です。

この汲み取り式、私が小学生の頃は畑の肥料として汚物を利用してました。汚物を畑まで運ぶ手伝いを思い出します。独特な匂いと色、振動で跳ねることもあり、体についた時には、必死で水で洗い落としてました。でも、そこから取れたナスやトマトはホント不思議なくらい美味しかったですね。今思えば、汚物と食物、自然のバランスが取れてたように感じます。

歴史を振り返ってみると、もともと便所はなく、野外で身をひそめて用を済ましてました。集団生活をするようになると、今度は溜まった汚物を外に捨ててたようです。欧州も同じように窓から外に捨ててたみたいでビックリです。これが香水の発達と深く関わってるというのですからおもしろいですね。汚物を肥料として使えることを知ると、今度はそれを溜めるようになり、便所というものが生活空間に入ってきました。長屋生活の人たちは共同便所を造ったようですが、衛生状態が悪いので、感染病が流行ったようです。この共同便所で溜まった汚物も肥料として大活躍で、船で運んでお金に換えてたくらいです。くさかったでしょうね(笑)

イス座が基本の欧州は、便器も座ってできるものが発達し、便器と身体が直接触れるので、便器は常に清潔に保つ習慣があり、便器はきれいなものと認識してました。しかし昔の日本は、しゃがんで用を済ませるのが基本でしたから、便器と身体が直接触れることもないので、便器を掃除しない習慣ができ、汚いものという認識ができました。便所の考え方が生活習慣で違ってきます。浴槽の横に洋便器があるのを見かけますが、まさにこの違いによるものです。

洋便器は機能優先で快適ですが、長い歴史の生活習慣で受け継がれてきた和便器は、根強く日本人の心の奥底に潜んでおり、繰り返される快適な日常生活の中でも、どこかでそれを感じているはずです。一時的な習慣は変えられても、歴史的な習慣は大きく変わらないでしょうね。そういった意味で和便器は今後も存在し続けると思います。

便所は今では「住まい」に欠かせない存在となってます。
毎日使うところですから、今の流れに乗りつつも、どのように使うか、当り前の基本動作を慎重に考えなくてはいけない空間だと思います。

次は「玄関」と「住まい」について書きます。





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